緩和ケアで働く

緩和ケアの特徴

現在、2人に1人はがんにかかり、3人に1人が亡くなっています。
がんになると、身体的な痛みや症状の他に悲しみや死への恐怖など、様々な苦痛を持つようになります。
緩和ケアは、がんの患者さんが持つ全ての苦痛を和らげる為にあります。
病院における治療目的は検査・診断・治療・延命ですが、がんの患者さんに対してのケアはそれでは限界があるとして生まれました。
1967年にイギリスで発祥し、日本では大阪の淀川キリスト病院である説が有力です。
別名でホスピスとも呼ばれていて、今後もさらに増えていく見込みです。
性質上、キリスト教系の医療機関が多いですが、キリスト教でなくても働く事ができます。

身につくスキル

■ コミュニケーション技術の向上 精神面のケアが要求される緩和ケアで勤務すると、コミュニケーション能力が養われてきます。
このコミュニケーション能力はとても大切なスキルです。
患者さんの意図を汲み取る為の質問の仕方や、何でも話したくなる聞き方を習得できます。

■ トータルペインに対する看護能力
身体の痛みから精神的不安まで、苦痛であるトータルペインに対する看護能力を身につけることができます。
緩和ケアにおける姿勢や考え方は、深い看護能力を習得する事ができます。

■ フィジカルアセスメント能力
打診や聴診、触診などで患者さんの健康状態をチェックするフィジカルアセスメント。
患者さんとの関わりが密な緩和ケアでは、フィジカルアセスメント能力を高めることができます。

■ がん疼痛マネジメント
痛さの感じ方は人によって様々で、痛みがどの程度あるのか100%理解する事は難しいことです。
ですが、多くのがん患者さんと接する事で痛みの程度に応じたケアや処置についての予想する事が可能となります。

働く上での辛さ

身体的・精神的苦痛で苦しむ患者さんを見るのが辛いと感じる人にとっては、精神的なダメージは大きいでしょう。
また、緩和ケアを必要とする患者さんの中には終末期の方が多く、他の職場よりも患者さんの死に直面する機会が多い傾向にあります。
患者さんの一人ひとりとじっくり向き合って看護ができる分、担当していた患者さんが亡くなった際には看護師が受けるショックも大きいです。
後悔のないように精一杯ケアをしていたとしても、患者さんが最期を迎える事が当たり前になる事はありません。
ですが、当然の事ながら一番辛いのは遺族となってしまったご家族。
悲しい気持ちを押さえ、急いで清拭・更衣を行い、エンゼルメイクを施します。
その後、ご遺体をご家族の元に運ぶのですが、これで終了ではありません。
悲しみに暮れるご家族に対してのケアも含まれます。

スキルアップの為には

2つの条件を満たせば、緩和ケア認定看護師というスペシャリストへの道が開けます。

1.通算で5年以上の実務研修を積んでいる事(そのうち通算で3年以上は、緩和ケア分野の実務研修でなければなりません)
2.その上で、認定看護師教育機関で600時間以上の教育課程を修了する事

その後、認定試験に合格すると認定証が交付され、登録すると緩和ケア認定看護師として勤務する事ができます。
資格の有効期限は5年で、5年毎に更新の手続きと書類審査があります。
資格保有者は、全国に1,400人以上います。
認定看護分野は全部で21分野ありますが、その中でも皮膚・排泄ケア、感染管理に次いで3番目に多い資格保有者数となっています。
認定試験は合格率が90%を超える事がほとんどで、難易度は高くありません。
出題範囲は教育機関で学ぶ内容である為、学んだ事をしっかり身につければクリアする事が可能です。

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